ひどい生理痛や腰痛に注意!【子宮内膜症】の症状・原因・治療法

2018年2月23日

「子宮内膜症」は、多くの女性に見られる子宮や卵巣の病気です。

以前は40代の女性に最も多くみられた病気でしたが、最近では、若年化がすすみ、20代や30代の子宮内膜症が急増しています。

子宮内膜症の一番の症状である生理痛は、程度の差はあれどほとんどの女性が経験するものなので「ただの生理痛」と見逃してしまい、発見が遅れるケースも多いようです。

子宮内膜症は不妊とも関係しているので、早期発見し早期治療することが大切です。

そこで、今回は「子宮内膜症」とはどのような病気か、注意すべき症状や治療法などについて、ご説明したいと思います。

 

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子宮内膜症とは?

子宮内膜症とは、本来は子宮の内腔にしかないはずの子宮内膜の組織が、卵巣や卵管など、子宮の内側以外の場所にもできる病気です。

できる部位は広範囲に及びますが、

特にできやすい場所に、卵巣、卵管、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後ろから支える靭帯)、膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)などがあります。

なかでも、卵巣の内部に子宮内膜が増殖すると、出血した血液が卵巣にたまってチョコレート状になるため「チョコレート嚢胞(のうほう)」と呼ばれます。

子宮内膜は生理が近づくと剥がれ落ちますが、
子宮内で剥がれ落ちた子宮内膜は体外に排出されるのに対し、子宮内以外にできた子宮内膜は体外に排出されず体内に溜まります。

これが他の臓器との癒着を起こして、強い生理痛や子宮周囲の癒着による痛み、不正出血や炎症、経血量が多い、不妊などの様々な症状を引き起こします。

現在までのところ、子宮内膜症に対する根本治療が確立されていないため、閉経するまでの間、完治することができない病気であると言われています。

 

子宮内膜症の症状

代表的な症状は生理痛ですが、それ以外にも、全く関係なさそうな事が子宮内膜症の症状である場合もあります。子宮内膜症の症状を見てみましょう。

 

生理痛

子宮内膜症の方のほとんどが生理痛に悩まされています。
ひどい場合は、鎮痛剤を使う回数が増えてきた、鎮痛剤が効かない、毎月のように寝込むなど、子宮内膜症が進行すると生理痛が日常生活に支障をきたすほど重症になる事もあります。

生理が繰り返されるたびにだんだんと生理痛がひどくなってきたという方も注意が必要です。

 

不妊

子宮内膜症患者の女性の約半分が不妊症であり、また原因不明の不妊と診断された女性の多くに子宮内膜症が見つかっています。

子宮内以外で増殖した子宮内膜が癒着を引き起こし、卵管などを塞いでしまい受精・着床を妨げることが原因と考えられています。

 

排便痛

直腸に病変があったり、子宮と直腸が癒着している場合、排便時や便意を感じた時に、肛門の奥に痛みを感じる事があります。

 

下腹部痛

月経以外のときにも「下腹部痛」があるというのもよくある訴えで、子宮内膜症の女性の約7割の人にみられます。
生理が始まる1週間ほど前から痛くなることが多いようですが、生理が終わっても痛みが続き、結局一カ月のうち痛みがない日のほうが少ないというケースもあります。

 

腰痛

特に生理前・生理中になると、腹部だけでなく腰が痛む場合もあります。子宮内膜症の女性の半数以上が腰痛を訴えています。
痛みは腰だけではなく、背中、股関節、足にまでも広がることがあります。

さらにこれらの他にも、

●吐き気
●嘔吐
●便秘
●下痢
●発熱
●めまい

など、子宮内膜症に関係しているとはわかりにくいようなものが、症状として出る場合もあります。

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子宮内膜症の原因

子宮内膜症が発生する原因については未だはっきりと解明されていませんが、有力な説として「子宮内膜移植説」と「体腔上皮化生説」の2つがあげられています。

 

子宮内膜移植説

本来、体外に排出されるはずの生理の血液が、卵管の方に逆流しお腹の中に出てしまい、排出されることなくそのままとどまってしまうというものです。
子宮外に付着した子宮内膜組織の一部が逆流した先で増殖し、子宮内膜症を引き起こすのではないかと考えられています。

こちらの説の方が有力視されていますが、はっきりとわかっていません。

 

体腔上皮化生説

もう一つは体腔上皮化生説で、腹膜が何らかの原因で子宮内膜に変化→増殖し、子宮内膜症になるというものです。

 

子宮内膜症の治療法

子宮内膜症の治療法としては、大きく分けて「薬物療法」「手術療法」の2つがあります。

病気の進行の程度や症状、将来子どもが欲しいかなどによって、治療法を選択します。

 

薬物療法

これらの療法は、薬を使い排卵や月経を止めることで、内膜症の進行も止めるというものです。

「偽妊娠療法」
低容量ピルを使って擬似的に妊娠と同じ状態をつくる方法で、こちらが主流となっています。
下の「偽閉経療法」と比較すると、副作用が少なく長期間に渡って服用することが可能です。

「偽閉経療法」
卵巣の働きを抑制する薬を使って、擬似的に閉経と同じ状態をつくる方法です。

閉経と同じようなホルモン状態にするため、副作用として骨粗しょう症や更年期障害と似た症状が出ることがあります。そのため、長期間にわたる薬物治療を続けることができない場合もあります。

またクリニックによっては、症状が比較的軽い場合に「漢方薬」が処方されることもあります。体質改善の期待ができる、副作用が少ないという利点があります。

 

手術療法

手術療法は、病巣を取るのでほとんどの症状の改善が期待できます。

子宮内膜症の病巣だけを取り除き、子宮・卵巣を温存する「保存手術」と、子宮と卵巣を全摘する「根治手術」があります。

「根治手術」は、子宮や卵巣を摘出するので子宮内膜症は完治しますが、妊娠は不可能になります。

手術の方法は、以下の2通りです。

「腹腔鏡手術」
お腹を切開せず、小さな穴を開けて腹腔鏡を挿入し、処置する手術方法です。

骨盤内癒着がひどい場合やチョコレート嚢胞、深部子宮内膜症の方は、この「腹腔鏡手術」で癒着を剥がしたり、腫瘍を切除したりします。
ただし、手術を行っても、再発する場合があります。

腹腔鏡手術は出血も傷も小さいので、体への負担が少なく回復が早いことが利点です。

「開腹手術」
腹部を開腹して手術を行う方法です。

病巣が大きい場合や、卵巣や子宮の摘出が必要な場合に選択されます。
全身麻酔で、下腹部を約10〜15cm程度切開して手術を行います。

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最後に

子宮内膜症は、中にはそれほど自覚症状が感じられない場合もあり、
「不妊症の検査を受けたらたまたま子宮内膜症がみつかった」「帝王切開の時にたまたま見つかった」などというケースも数多くあるようです。

「生理痛がないから大丈夫」と思っていると、知らないうちに病気が進行してしまうこともありますので、月経周期を記録する、定期検診を受けるなど、自分の体に常にチェックを入れることが大切です。

子宮内膜症は不妊や卵巣がんのリスクもあるため、早期発見・早期治療するためにも、少しでも異変を感じたら「気のせい」「大したことない」と思わないで、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。

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